構えの時の前後の足幅を考える?

  足の前後の開きを大きくすると、左足より体の重心が前に位置する為、瞬間的な打突には有利である。

試合などで足の前後の開きが大きい人が多い、これはやはり瞬間的に打突しなくてはならないからだと思う。

  私も随分と此処のところに悩まされた。

  いつの頃からか上の先生に足の前後の開きを小さくし、すっきりと背筋を伸ばして構えたほうが

良いと指導を受けた。

しかし、その通りにすると前に出るのが難しい、瞬間的な早い打突が出来ない。

  自分の考えでは、左足で身体を蹴りだすには、足を前後に大きく開き体の重心を前に置いた方が

左足の蹴りだす力を有効に使えるはずと考えを改めなかった。

  その為、右足から攻め込み左足を引き付け打突する。相手は、待ってましたとばかりに応じ技を出す。

これで何人の方を昇段審査で合格させたことか。

これが今思えば大きな間違いであったことに気が付くことになる。

  東京の審査で不合格になってから最初の稽古で、ある七段になったばかりの先生に決定的なヒントを戴いた。

「右足だけ出して左足は引き付けない方が良いよ」とのこと

  「エーッ」と思った。

  今まで右足を出したら左足を引き付けて打突すると教わっているし、それで無くては駄目だと思っていた。

しかし、それを実践することにより、今までの私の剣道の疑問点をほとんど解消してくれる。

  とりあえず、これなら出来そうだと、近くの公園で一人稽古が始まった。

自分の所属する剣友会の稽古から帰ってきても公園で一人で打ち込みの稽古をした。

剣友会では子供の指導が多く自分の稽古ができなかったからだ。

  この頃の右足を出すという方法は理合いなど考えることも無く、まず身に着けるべく形を作っていった。

この右足が攻めになっているなど考えもしなかったし攻めがどんなものであるかも理解していなかった。

ただ、右足を出すことにより相手が打突動作を起すことがなんとなく解ってきた。

  これはこの時行った一人稽古

    ・右足を出し相手のでてきたところを小手のイメージを膨らませ打つ。
    ・右足を出し相手の出て来たところを面のイメージを徹底して稽古した。

  半年後、京都の審査会で一人目の立会い、

  中心の争いの後(時間はわからない)、右足を出すと相手の手元が上がり出小手を打つ。

手ごたえはあったが、有効打突かどうかは不明。

  次に、右足を出した後、面に伸びた。相手が出ようとするところに打突出来たように思った。

手ごたえはあったが、有効打突かどうかは不明。

  その後、打ちすぎないように自制し相手の出るところを前に出て相手を制する。

  終了間際、2本目の打突と同じく、右足を出して面に伸びた。

これも手ごたえはあったが、有効打突かどうかは不明。

  二人目の立会いの内容もほとんど一人目と同じだった。

  二人の立会いを終了して、自分の力を出し切った満足感はあったが、もし駄目だったら

今の剣道にもっと磨きをかけて又挑戦しようと思っていたが、うれしいことに発表の中に

私の番号があった。

  話が昇段審査のほうにずれてしまい。私の自慢話になってしまい申し訳ありません。

話を元に戻します。

  前後の足の幅ですが、左足のつま先は右足のかかとと並ぶ程度まで引き付けて構えるのが

良いようです。

  背筋を伸ばし、上半身の力を抜きをリラックスさせます。肩も腕もリラックスさせます。

左拳のみ手首を入れ軽くしっかりと持ち、できるだけ下に位置します。

  右手は、横から竹刀を持つ感じで軽く持ってください。右手の手首を入れると

腕・肩に力が入ります。従って手首は入れすぎないようにするのが肝要かと思います。

  此処からが大切なところなので注意して下さい。

上記の構えから打突してみてください。非常に打突するには難しい構えです。

  この構えから左足の力で打突するには左足の上にある重心を前に移動しなくてはいけません。

しかし、この動きは打突時のスピードに比べるとあまりにも遅く、相手にとって待っていましたと

打突されます。

  此処でよく考えてください。自分が重心を前に移動させたから相手に打たれたと言うことです。

しかし、相手に打たせる為の動作だと思ったらどうでしょうか。

  これが攻めなのです。

  自分の打突を行うために重心を前に移動させることと同時に、相手に攻め込んで相手の

打突を呼び込んでいるのです。

  これが出来ると相手の出鼻を打てるようになります。

  さて重心を前に移動する方法ですが、一つの方法として「癒しの剣道」に書いてありますが

もっと簡単に誰にでも出来る方法を下記に書きますので使えるようでしたら使ってください。

  構えは前に書きましたので省略します。

  まず一足一刀の間合いに立ちます。左足に 7対3 位の体重のかけ方です。

そこから重心を前に移動させるのですが、一番簡単な方法は前に倒れることです。

此処では左の足に体重を乗せたまま倒れることが大切で右足を自由に動かせるようにしておいてください。

倒れている途中で面は相手に向かっているはずです。

相手は間合いに入ってきたと思い、打ちに出ます。

その打ち始める瞬間に右足を踏み込むと同時に左足で身体を押し出し相手に対し一拍子に打ち込みます。

これで見事に出頭面・出小手・面抜き胴の完成です。

  先日、子供たちに指導しましたが、簡単に出来るようになりました。

でも、その場限りで次の稽古では使っている子供はいませんでした。

  何か欠点があるようです。もっと工夫が必要のようです。

  又良い考えを発見したら書きます。

  読んでいただきありがとうございました。これで何かをつかんでいただければ

幸いかと存じます。

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